スポーツのために歯科ができること（学会発表をしました）

2025.12.08

先日、埼玉で開催された「日本スポーツ歯科医学会学術大会」に参加しました。
今回は、ただ歯を守るだけではなく、“スポーツ選手のパフォーマンスをより良い状態で保つために歯科ができること”をテーマに、研究内容を報告しました。

スポーツの現場では、外傷予防のためにマウスガードを使用することが一般的になってきています。

しかし近年の研究では、競技者のパフォーマンスには「睡眠の質」も深く関わっていることが分かっており、歯科としてサポートできる領域は広がっています。特にラグビーやアメリカンフットボールなどの大きな体格が必要となる競技では、首回りの筋肉量が多い選手ほど気道が狭くなる傾向があり、睡眠時無呼吸やいびきを起こしてしまうケースが少なくありません。

そのような場合、気道の状態や睡眠の質にも着目し、必要に応じて睡眠時に使用するマウスピース（スリープスプリント）を作製します。その結果、気道が広がることで睡眠の中断が減り、朝の疲労感が軽くなったと言ってくださることもよくあります。競技力を支える上で歯科の役割が大きいことを実感しています。
今回の研究でもスポーツ選手の気道の変化を睡眠の観点から分析した内容を報告しました。
スポーツ歯科というと「歯を折らないようにすること」が中心と思われがちですが、実際には選手の健康を総合的にサポートする分野へと進化しています。歯の噛み合わせや筋肉の緊張、そして睡眠の状態はすべて密接につながっており、その調整によってケガの予防・集中力・パフォーマンス維持にまで影響する可能性が報告されています。

当院では、スポーツを頑張る子どもたちやアスリートが安心して競技に取り組めるよう、口腔内のケアはもちろん、睡眠の質や噛み合わせの観点からもサポートしていきます。 普段スポーツをされない方でも「いびきをかく」「朝起きても疲れている」といったお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。スポーツ歯科の視点からも、より安全で快適な生活を支えるお手伝いができれば幸いです。